「Deathsmiles」は中世ヨーロッパのような世界観のシューティングゲームだ。
シューティングの中でも「弾幕系」と呼ばれるジャンルで、大量の敵弾が画面中にばら撒かれるのが特徴だ。
2007年にアーケードで登場した作品の移植作で、XBox 360版がベースになっている。
■画面の左右から現れる敵を倒しながらステージを進める。弾幕系らしく、高難度では画面中に敵弾が溢れる
■ステージの最後には巨大なボスが待ち受けている
ゲームの舞台は「ジルバラード」という異世界。 現実世界で「神隠し」に遭った人物がジルバラードにたどり着くと、魔法の才能が身に付くという設定だ。
主人公は神隠しに遭ってジルバラードに迷い込み、保護された少女達だ。
ある日町にモンスターが現れ、主人公達は討伐に向かう。 操作可能なキャラクター(自機)はウィンディア、キャスパー、フォレット、ローザの4人。 それぞれ使い魔を連れており、攻撃方法や移動速度などが異なる。 一部の操作まで変化するので、特性を把握するのが重要になる。
本作のシステムは少し複雑だ。 クリアを目指すだけなら覚えることはそれほど多くないものの、コンティニュー無しのクリアを目指したり、スコアアタックをするなら覚えることがぐっと増える。
基本システムはショットとボム。
ショットは通常ショット、強化ショット、オートロックショットの3種類がある。 画面の左右から敵が出てくるため、撃ち分けられるようショットボタンが2個あるのが特徴的だ。 ショットボタンは連打で通常ショット、押しっ放しで強化ショットになる。左右のショットボタンを両方押しっ放しにすると、効果範囲内の敵を自動で狙うオートロックショットを撃つ。 効果範囲に敵が入らないとショットを撃たないので、使い所はよく考える必要がある。
ボムは自機を一定時間無敵にし、画面全体に攻撃する。避けられなくなった際の緊急避難に使える。
使い魔は自機と同時にショットを撃つ。 ショットは2種類あり、基本的に強化ショット時に強力な攻撃をする。 キャスパーのみ通常ショット時の攻撃が強力だ。 自機の動きに合わせて自機の周囲を回るように移動し、ウィンディアとフォレットは強化ショット時、キャスパーとローザは通常ショット時に位置が固定される。
システムを覚えるのにお薦めのキャラクターはウィンディアだ。
移動速度が速い通常ショット、攻撃力が高くなる代わりに移動速度が遅くなる強化ショット、効果範囲が自機を中心に展開するオートロックショットと、それぞれの特性が分かりやすい。
■通常ショットを撃つにはショットボタンを連打するか、連射に割り当てたボタンを押す
■敵は左からも出現する。キャラクターの背後から現れる場合は注意を促すマークが表示される
■ショットボタンを押しっ放しにすると強化ショットを撃てる。基本的に移動速度が落ちる
■左右のショットボタンを両方押しっ放しにするとオートロックショットを撃つ。効果範囲内の敵を1体ずつ攻撃する。範囲はキャラクターによって異なる
アイテムによるショットの強化は無い。代わりに一定時間ショットを強化する「パワーアップ」がある。 これは画面左下にある数字(カウンタ)が1000の状態で両ショットボタンを長押しすることで有効になる。
パワーアップ中はカウンタの数字が減っていき、0になると終了だ。カウンタの数字が残っていても、ダメージを受けるかボムを使った場合はその時点で終了する。パワーアップは他にも得点アイテムが通常より多く出るようになる、ボス以外の敵本体に当たってもダメージを受けなくなる(敵弾には通常通り当たる)といった効果がある。
カウンタの数字は得点アイテムを取得することで増えるが、パワーアップ中の得点アイテムはスコアボーナスになるため、終了後に集め直す必要がある。
■画面中央のどくろが得点アイテム。特定の敵を倒すと出現し、倒す際のショットの種類で出現量が変わる
■スコアボーナスが最大の状態では、得点アイテムが大量に現れる。この画面では取得得点の大きい王冠が次々と出現している
敵や敵弾に当たると体力が減り、無くなるとゲームオーバーだ。
体力ゲージは3本あり、敵本体に当たると半分、敵弾に当たると1本ゲージが減る。ボムはゲージが1本無くなるごとに回復する。
本作ではステージ進行も独特だ。
前半の6ステージと後半の1~2ステージに分かれており、前半は次に進むステージと難易度を選べる。これは画面を見た方が分かりやすいだろう。
■ゲームスタート時、ステージはA-1、B-1、C-1、ランク(難易度)はレベル1、2、3から選べる
■A-1をクリアすると、次はA-2、B-2、C-2から選べる。レベルは同様に1、2、3から選べる
■2をクリアした後は1に戻る。クリア済みのA-1以外から選ぶ
このようにして、先に進むためには6ステージすべてをクリアする必要がある。
6ステージのうち、レベル1と2は1のグループと2のグループで1回ずつしか選べない。つまり、A-1をレベル1でクリアすると、B-1とC-1はレベル2か3を選ばなければならない。コンティニューせずにクリアするには、どのステージでどのレベルを選ぶかも重要になる。
レベル3を選び続けると「デスモード」になり、敵にショットを当てると「打ち返し弾」を撃ってくるようになる。これは通常の敵弾に加えて発生するため、あっという間に画面中が敵弾で覆われてしまう。
ここで重要な要素が使い魔だ。 使い魔はダメージを受けない上に、打ち返し弾を吸収して得点アイテムに変換する効果がある。通常の弾避けに加え、使い魔を操作して撃ち返し弾を消していくテクニックが必要になる。
■黄色い十字の形をした敵弾が撃ち返し弾。自機を狙って飛んで来るので、使い魔を当てて消さないとすぐに追い詰められてしまう
■打ち返し弾はスコアアップのチャンスでもある。敵の多いシーンでうまく立ち回ると、得点アイテムが大量に入手できる
後半は難易度選択ができない代わりに、最終ステージの前にエキストラステージに行くかを選択できる。 クリアが目的なら直接最終ステージに進めばよく、スコアを伸ばしたいならエキストラステージも行けばよい。
難易度が高くなると敵の数が増え、得点アイテムもより多く出現する。 デスモードでは打ち返し弾もスコアアップのチャンスになるため、難易度が高いほどスコアも伸びやすくなる。 どの順番で前半ステージを進めるか、どこでパワーアップを使うかなど、スコアアタックではやり込む要素が豊富だ。
スコアを稼ぐのは、ノーコンティニュークリアにも大きな意味がある。 初期設定では2000万点と4500万点でエクステンドする。エクステンドは他のタイトルなら残機が1機増えることを指すが、本作では体力ゲージが1本増える。体力ゲージが回復するアイテムもあるため、上限が上がるとメリットが大きい。
本作の魅力はこうした攻略方法の組み立てにある。 前半だけで18パターンのステージがあり、スタートからエンディングまでの難度を自分でデザインできるのは他のタイトルには無い要素だ。
どこでスコアを稼ぐのか、どこでボムを使うのかといったことを積み重ね、思い通りにクリアできた時の達成感はかなりのものだ。
ここまでの解説は「アーケードモード」をベースにしている。 本作はそれに加え、「メガブラックレーベル」と、それぞれに「Ver 1.1」と「ノーマルモード」を収録している。
メガブラックレーベルは敵として登場した「サキュラ」を自機として使えるようにし、高難度の「レベル999」を追加したバージョン。 Ver 1.1は使い魔を独立して操作できるほか、カウンタの数字が100からパワーアップできるなどのアレンジが加えられている。
ノーマルモードはレベル選択の制限を無くし、少し易しく調整している。ノーマルモードとVer 1.1はグラフィックが高画質になっているのもポイントだ。
■ゲームモードの選択画面。通常版と「メガブラックレーベル」それぞれにアーケード、ノーマル、Ver 1.1と3種類のモードがある
■メガブラックレーベルでは5人目のキャラクター「サキュラ」が使用できる
■「アーケードモード」のキャラクター選択画面。画面の余白部分が広い
■同じシーンだが、こちらは「ノーマルモード」。ゲーム部分が大きくなり、グラフィックが綺麗になっている
同社の他のタイトルと比べてクリアの難易度は抑えられており、特にノーマルモードはシューティングゲームに慣れていない人でも楽しめる内容となっている。
同時に驚くほどの高難易度も用意されているので、腕に覚えのある人にも手応えは十分。ぜひ多くの人にやり込んでもらいたい。
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Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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