今回紹介するのはホバーボードとフック付きのワイヤーを使い、アクロバティックかつ自由自在に広大なオープンワールドの世界を飛び回る爽快感抜群のアクションゲーム「Jet Island」。
ホバーボードのブースを全開スタート、壁やオブジェクトにフックを引っ掛けてワイヤーを伸ばし思いきり引っ張ることでさらに加速、ブランコのように遠心力を使って大きく飛び出したところで、さらにホバーボードを加速、次の目的にワイヤーを引っ掛けてターザンのように自在に飛び回る。
ここでスピードが乗っていればスタイリッシュな移動も可能で、操作に慣れていればスパイダーマンのようなアクションが可能だ。もちろんVRなので一人称視点で、スピード感もかなりのものだし、高所に飛び上がったときのヒヤッとする感覚はやはりVRならではだ。
ストアページにある動画では動きが激しかったのでVR酔いが心配だったが、意外とその辺りは問題がなかった。画面の動きと体の動きにギャップがあるとVR酔いになりやすいので、ワイヤーを使ったアクションというのはその辺りを上手く解決しているのだろう。
また舞台となるオープンワールドのフィールドはユニークな形をした、廃墟のようなオブジェクトが多数配置されており、神秘的な雰囲気を醸し出している。さらにこれらは見た目で盛り上げるだけでなく、もちろんフックをかけることもできるので、むしろ積極的に利用していきたい。
特に柱から柱へのワイヤーを使ったアクロバティックなアクションはとても現実離れしており、上手く繋いで移動できたときなどは快感で脳汁が出る感覚が楽しめる。
ちなみに1人でプレイしているときは見る機会がないが、アバターのカスタマイズもありこちらは意外と細かい。というのもCo-opモードにも対応しており友人と一緒にプレイすることができるのだ。
ちなみにプレイタイミングの問題などもあるのだろうが、野良でのマッチングはさすがに厳しい印象だ。こちらは完全にフレンドと遊ぶモードと考えて良いだろう。
ワガママをを言わせてもらえばそれこそスパイダーマンではないが都会のようにフックを引っ掛ける場所が沢山あって、建物も多くあればスピード感も相まってかなり楽しめそうなのでそこは少し勿体無いかなと感じた。この辺りは世界観と言ってしまえばその通りなので、望みすぎだろうか。
ただ本作で一番気になるのはフィールドより何より操作の難易度だ。勘の良い読者の方はお気づきかもしれないが、筆者はここまで“操作に慣れれば”、“上手く操作できれば”という文言を繰り返している。要するに操作がとんでもなく難しいのだ。
自分で言うのもなんだが、筆者はゲーマー歴はそこそこ長く、様々なゲームをプレイしてきているので、極端にゲーム下手というわけではないと自分では思っている。だがこれまでプレイしてきた数々のゲームの中ではトップクラスに難しいタイトルだ。
「加速してワイヤーを使い遠心力を使って自在に飛び回る」。この文章だけ読めば最高に楽しそうに見えるが、実際はとにかくキャラクターをコントロールするのが難しい。
カーブしようとしてフックを引っ掛けると遠心力がかかりすぎて大回りしてしまったり、逆にワイヤーの力が働きすぎてガクッと45度くらい方向転換してしまうこともある。
そしてステージには地面がない部分があり、ここに落ちると問答無用でゲームオーバー、最寄りのチェックポイントまで戻される。あまりにも非情である。
そしてこの問題に拍車をかけているのがチュートリアルだ。必要最小限どころか説明を省きすぎて「いやいや、この壁どうやって登ればいいの?」のような部分がざらにある。
恐らく勢いをつけてフックを使えば登れるのだろうが、そのための操作方法のコツやテクニックも書いておらず、「目的地の方向だけは書いたけど細かいテクニックの説明はないので自力で移動してくれ」と言わんばかりの投げっぷりだ。ただでさえ操作方法がタイトルごとに大きく異なるVRタイトルでこの仕打ちはかなり厳しい。
こちらはチュートリアル。上手く行っているときはかなり気持ち良いのだが……
ネガティブな点ばかりあげるて恐縮だが、テストプレイと言えば気になったのが操作方法だ。筆者はVIVEコントローラーでプレイしたのだが、ワイヤーを射出するボタンがメニューボタンで、ブーストがトラックパッドという設定になっている。
両方親指で操作するボタンなので、フックを引っ掛けながらブーストをかけるというのがかなり難しい。ゲーム内で銃を使うタイミングがあるのでトリガーはそちらに使用するとしても、グリップボタンなどを使うことができなかったのだろうかと疑問は残る。
この辺りは「Oculus Rift」に最適化されているのかもしれない。せめて操作のカスタマイズなどに自由度があれば良いのだが……。
ちなみにSteamのストアページには「着席」でプレイ可能と書いているがこちらもかなり難しい。一応オプションで方向転換ボタンを設定することができるが、そのアクションの激しさゆえにまともにプレイできるものではない。ルームスケールとまではいかずとも立位はマストだろう。
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