2019年2月8日19時、AMDの新グラフィックチップ「Radeon VII(セブン)」を搭載したグラフィックボードが発売となる。価格は製品によって異なるが、税込みで9万円台前半~後半だ。
・AMDのRadeon VIIの製品ページ https://www.amd.com/ja/products/graphics/amd-radeon-vii
Radeon VIIは「Radeon Vega」シリーズの後継となる、AMDのハイエンドグラフィックチップ。基本的なアーキテクチャーはRadeon Vegaと同じだが、製造プロセスが14nmから7vmにシュリンクしている。現状チップのバリエーションはなく、1モデルだけだ。
シェーダーは3840個、「CU(コンピューティングユニット)」は60個搭載し、コアの動作クロックはベースが1.4GHz、ブースト時が1.75GHz。それとは別に、これまでなかったピークエンジンクロックという項目が設けられており、1.8GHzとなっている。コンピューティングユニットの数は「Radeon Vega 64」の64個から減っているが、動作クロックは1.247GHz(ブースト時1.546GHz)から引き上げられている。
大きな特徴となるのが、16GBという大容量のメモリーだ。Radeon Vegaシリーズの8GBから倍増している。メモリーの種類は同じ「HBM2」を採用しているが、下の図のように、7nmによりダイが小型化したためメモリーチップを増やせたようだ。増やしたメモリーチップに対して並列にアクセスすることで、帯域も1TB/sとおよそ2.1倍に大幅アップしている。
ハイエンドモデルのため、動作要件も高めだ。AMDはTDP(Typical Board Power)を300Wとしており、出力750W以上の電源ユニットを推奨している。補助電源端子は8ピン×2が標準となる。
ライバルとなるのはNVIDIAの「GeForce RTX 2080」。こちらは搭載製品が9万円台半ばから13万円程度で販売されているので、価格帯としても合う。
AMDがハイエンドクラスのグラフィックチップを更新するのは約1年半ぶり。待っていたファンも多いのではないだろうか。
Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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