2019年6月11日から13日の日程で、ゲーム見本市「E3 2019」が米ロサンゼルスで開催中だ。それに合わせてAMDは発表会を開催し、CPUとGPU(グラフィックチップ)の新製品を発表した。
発表の模様は以下の動画で見られる。
ここでは、よりVRの動作に重要なGPUの発表内容を紹介する。新しいGPUは、5月下旬に「COMPUTEX TAIPEI 2019」のスピーチで「Radeon 5700」シリーズになると発表されている。今回はより具体的に、モデル名と価格、発売時期を公開した。
ラインアップは「Radeon RX 5700 XT 50TH Anniversary Edition」、「Radeon RX 5700 XT」、「Radeon RX 5700」の3種類。Radeon RX 5700 XTと同50TH Anniversary Editionの基本スペックは同じで、専用のクーラーを採用してコアの動作クロックを引き上げたモデルのようだ。
Radeon RX 5700 XTはシェーダー(Stream Processors)を2560個、CU(Computing Units)を40個を内蔵し、メモリーはGDDR6を8GB搭載する。GPUのベースクロックは1.605GHz、ブーストクロックは1.905GHzだ。今回新しく「Game Clock(ゲームクロック)」という指標が追加されており、こちらは1.755GHz。Game Clockはゲームプレイ時にこのくらいのクロックで動作するという目安だという。
ライバルとなるNVIDIAの「GeForce RTX 2070」と比べると、多くのタイトルで2560×1440ドットの解像度の環境でより高いフレームレートが得られたとしている。
Radeon RX 5700 XT 50TH Anniversary Editionの動作クロックはそれぞれ1.68GHz、1.98GHz、1.83GHzとなっており、全ての指標で75Hz引き上げられている。
Radeon RX 5700はシェーダーが2304個、CUは36個。メモリーはRadeon RX 5700 XTと同じでGDDR6を8GB搭載している。メモリーの動作クロックは公開されていないため、上位モデルと同じかは不明だ。ベースクロックは1.465GHz、ブーストクロックは1.725GHz、ゲームクロックは1.625GHzとなっている。
ライバルになるのは「GeForce RTX 2060」。こちらもRadeon RX 5700の方が数%から最大21%高いフレームレートが得られたという。
今回発表となったGPUはいずれも7月7日発売予定。価格はRadeon RX 5700 XTが449米ドル、Radeon RX 5700が379米ドルだ。Radeon RX 5700 XT 50TH Anniversary Editionは499米ドルでAMDの直販だけで販売される。
なお、GeForce RTXシリーズが対応しているレイトレーシング(光の反射のシミュレーション)の採用は、今回は見送られたようだ。海外ニュースサイトの「The Verge」は、次世代のモデルで対応する可能性があると報じている。
・AMD’s Radeon 5700 XT wants to put a dent in the world like the dent in its chassis https://www.theverge.com/2019/6/10/18660063/amd-radeon-5700-xt-dent-announcement-price-release-date
Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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