2017年1月5日から8日の日程で、家電見本市の「CES 2017」が米ラスベガス市で開催されている。VR関連の出展も多く、今年のVR業界を予想する上でも注目度の高いイベントだ。
同イベントに、ゴーグルを装着することなく、スマートフォンなどの画面越しでもなく、ARを実現するデバイスが出品されている。HoloLamp社のARプロジェクターだ。製品の名称は社名と同じ「HoloLamp」。テーブルなどの上に置いて、立体画像を投影する。
本体に組み込まれたカメラが人の目を識別し、顔の位置に応じて見え方を調節する。そのため3Dモデルが自然に見えるという。
実際にある物体とARを組み合わせた使い方も可能。同社がYouYubeで公開しているデモ動画では、銃を構えた人形が光線を撃ち、別の人形に当たって弾けるという演出をしていた。人形を動かすと光線の出る位置も合わせて移動し、対象に当たらなかった光線は弾けずに消える。映像を投影したエリアに物体があることを認識している証拠だ。
・HoloLamp - Demonstration #1~#3
こうしたゴーグルやスマートフォンなどの画面を使わないARを「Spatial Augmented Reality」と呼ぶ。日本語で該当する用語はないが、直訳すると「空間的AR」となる。デバイスを持ったり装着したりしないで済むため、利用者への負担が少ない点、複数人数で利用しやすい点がメリットだ。発想としては新しいものではないが、テーブルに置けるほどコンパクトなプロジェクターで実現できればぐっと身近なものになる。ARで表示したものをどうやって操作するかなど課題は多そうだが、ARのもう一つの方向性として注目すべき技術だ。
・HoloLampのWebサイト http://hololamp.io/
Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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