2018年4月15日、ドイツの研究者がEMS(Electrical Muscle Stimulate)を使った触覚フィードバックを発表、YouTubeで動画を公開した。海外ニュースサイトの「Road to VR」が発表した。
・Researchers Electrically Stimulate Muscles in Haptic Designed for Hands-free AR Input https://www.roadtovr.com/researchers-electrically-stimulate-muscles-haptic-designed-hands-free-ar-input/
発表したのはドイツの研究施設「ハッソ・プラットナー・インスティテュート」のヒューマンコンピューターインタラクション研究室。EMSは電気の刺激で筋肉を動かす仕組みで、身近なところではトレーニング機器で利用されている。通販番組などで、着けるだけで腹筋が鍛えられるといった宣伝を見たことがある人も多いだろう。
動画では、MicrosoftのARゴーグル「HoloLens」と組み合わせて触覚フィードバックの様子を紹介している。例えばARのソファーを押すと肩や手首に抵抗を発生させ、押している感覚を作る。ソファーの反対側が壁に接触すると抵抗が強くなり、壁に着いたことが分かる仕組みだ。他にも仮想のダイヤルを回す際の抵抗、ARのボタンを押す時の手応えなどを実演している。
あくまで研究のため、仕掛けは少々大掛かりだ。背負っているバッグにはバッテリー駆動のEMS制御装置とノートPCが入っており、HoloLensが表示するARと連動する形になっている。筋肉に刺激を与えるパッドは両腕に合計20個取り付ける。腕の動きはHoloLensの機能でトラッキングする。
直接筋肉に作用するEMSは現実に近い触覚を生み出せそうだ。今回はAR用の触覚フィードバックを作ることがテーマだったのでHoloLensを使っているが、VRにも十分応用できると思われる。一方で、精度を高めるには貼り付けるパッドの数を増やす必要があり、ここが今後の課題になるのではないだろうか。
Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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